飲酒という自傷癖

 僕には自傷癖がある。肉体的でなく精神的なものだけれど。

 それは考え方が気に入らないバンドマンのTwitterをあえてフォローしていたり、くだらないコメント欄をワザワザ覗いてみたり、嫌な記憶をあえて鮮明に思い出してみたりする程度のことだ。誰にも迷惑をかけていないけれども、僕はそうやって自分の気に入らないものを視界にいれて居なければ自分の敵がわからなくなってしまうからだと思う。弱くて性格の悪いことことうえないけれど、多分そんな珍しくもないと思う。なんか心理学的にも人ってそういうものらしい。

 

死にたいと思ったことがあるかい?

 僕はある。何回も。

 別にいま思えば大したことじゃないのだけれど、胸に杭を打ち込まれたような幻痛が僕を襲い、気持ちが悪くなる。そういうとき不思議と脳裏に浮かぶのは手首なのだ。したことはないけど。そういう人間が身近にいたからなのか、根底では死にたくないと思っているからなのかはわからないが、まぁリストカットというのは手軽だなと思う。思っていた。

 酒を覚えてからはそういうときは溺れるように酒を飲むようになった。僕は大抵の悩みは一日たてば忘れるので、からだに毒物を流し込み、死んだように眠る。その時になんとなくこのままボロボロになってしまえばいいのに。と思うことがある。それはなんだか遠回しな自殺の様だなとぼんやりと思った次第だ。

 違うときもあるけれど。