吐く息の白さに冬を感じた
冬は好きだ。ここ最近めっぽう寒くなったが、体調をくずした人はいるだろうか。
僕は毎年季節の変わり目になると体調を崩す、謎の体質を持っているが幸いなことに今回はまだ崩していない。
さて、冬が好きだ。澄んだ空気も、差すような冷気も、なんだか全てが切なさを誘うような気がする。
黎明の中、寒いと独り呟きながら呼気なんだか煙なんだかわからないものを吐き出しながらタバコを吸うのが好きだ。怠いなぁと呟きながら、布団から這い出てお気に入りの服の中から着る服を探すのが好きだ。厚着をして外に出て、身に纏っているものが鏡越しに見えるのが好きだ。ヨウジヤマモトのジャケットが、その上に着た祖父の形見のバーバリーのコートが好きだ。深夜、心臓の音さえも聞こえそうな静寂に耳をすますのが好きだ。眠れない夜に淹れるコーヒーが好きだ。
俺は冬が好きだ。
春の陽気さも、夏の新緑も、秋の木枯しもないけれど、それでもこの季節の到来を待ち望んでいる。
まぁ、それじゃあ四季の中で一番好きかと言えば、それはそれでまた別の話になるのだが。