Detroit : Become human レビュー


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引用:PS4 『Detroit : Become human』 序盤レビュー

 

 全然ゲームのレビューなんてこのブログで書くつもりじゃなかったけど、あまりにも良すぎたので筆をとった次第である。これは全人類がやるべきゲーム。推せる。マジで。

 昨日(8/15)の夜八時頃からやりはじめて、徹夜でいま(8/16)十四時時半クリアした。その勢いのままいまこれを書いている。そんなゲーム。こんなに良いとは思わなかった。一周目でもかなり面白いが他のストーリーもすぐさまみたい。しかしカロリーが高いので、ちょっと間を起きたい気もする。

 一言で言うなら「やる映画」。並みのアクションゲームやストーリーゲームでは味わえない素晴らしい体験をさせてもらった。まだ全貌を見尽くせていないので、とりあえずネタバレなしでレビューしていく。

 

あらすじ

 これは私たちの物語、そしてあなたの未来

 

 舞台は2038年アメリカ、デトロイト。ある種のディストピア的世界観で、人類自体も人口問題気象問題など、さまざまな問題に直面している。そんな中、アンドロイドが実用化された近未来を生きる(?)アンドロイド三人を主人公として、群像劇のようにストーリーが進んでいく。目的も進む道もバラバラだった三つのストーリーがクライマックスで交差していく様は圧巻としか言いようがない。

 一人目の主人公はコナーという青年のアンドロイド。人間に従順なはずのアンドロイドが、「変異種」となり人間を襲う事件の解決を試みる。人間の敏腕老いぼれ刑事ハンクとタッグを組み、アンドロイドの中で唯一事件を捜査する権限を持つ最新型のプロトタイプである。アンドロイドでありながら人間の横に立ち、自身は何者なのかという葛藤に苛まれる。個人的には選択肢が一番選びづらいストーリー。

 二人目の主人公はカーラという女性型のメイドアンドロイド。父親から虐待を受ける少女に寄り添い、彼女を守るために必死で足掻く様は胸を打たれる。

 三人目はマーカスという青年型アンドロイド。恵まれた人間の主人を持っていたが、ある事件をきっかけに失意の底へと落とされ、絶望から這い上がり同胞のために革命を試みる、正義のアンドロイド。僕は彼のストーリーが一番好きだ。自身が考える正義と犠牲の間で揺れ動く感情を上手く選択肢に昇華してあるように思う。

 これらの主人を平行して操作していき、プレイヤーが理想とする未来を紡いでいくのがこのゲームの大まかなストーリーである。

 

感想

 まだ一周しかしていないので、ストーリーの核心についてはあまり触れずに書いていきたいと思う。

 まずグラフィックはかなり良い。僕好みのリアリティのあるSF的世界観の中を比較的自由に眺められる。無論オープンワールドではないので、歩き回れる自由度はそこまで高くないのだが、あまり不便さを感じない程度には作り込まれている。

 ゲームシステムについては一周目やった限りについては特に文句はない。ただすべてのシナリオを回収したいなら周回プレイが必須である(かつやりたくなると思う)のに対して、イベントスキップがついていないのは少しもったいないかなと思った。気になる悪い点はこれくらいで、あとはよくねられたシステムだと思う。

 基本的に会話や探索によってストーリーが進んでいくのだが、各所でどう発言するか、何を見つけるかによってシナリオが無数に分岐していく。チャプターが確か32章ほどあるのだが、その一つ一つでエンディングが四種類ほどあり、またどの前のチャプターで何をしていたかによって選べる選択肢や進めるルートがかわってくる。よって、同じゲームをやったプレイヤーでもまったく同じ感想を抱くことはないと思う。一周しかしなければ、え? そんなシーンあったの!? とまともに感想の言い合いもできないかもしれない。だからここで布教しているわけだ。

 だが、そこが素晴らしくいい。自分の手で物語を作り上げていく感覚がある。主人公たちの人生を、未来を、我々の手によって切り開いていくのだ。味方の期待にどう応えるか、他のキャラクターにどう接していくか、それがすべてプレイヤーに委ねられているのである。

 選択肢に意味がないゲームというのは近年ソーシャルゲームなどで見受けられるが、このゲームは一つ一つの選択肢に意味が与えられ、自分が責任を負わなければならないのだ。そういう意味ではノベルゲームに近いのかもしれない。

 ただ、ノベルゲームと異なるのは、謎解きの要素やアクションシーンがあることだ。アンドロイドはスキャンと言う機能を持っており、ステージにある物質のデータを解析できるのだが、それがいまプレイヤーが何をすべきかを暗に示してくれていて進めやすい。メタ的な要素と世界観的要素が上手く組合わさっているように感じた。また、コナーだけは最新型なので、検証機能を持っており、事件現場に残されたわずかな手がかりから、当時の状況を再現することができ、上手く組たてられた時にはかなり気持ちが良い。

 アクションシーンは普段より急いでボタンを押さなければならず、基本的には失敗してもあまり困らないのだけど、たまに失敗して仲間が死んだりするので、意外と気が抜けない。それが適度なスリルを生んでくれるので良いシステムだなと思った。

 ゲームが苦手な人用に難易度が設定できるが、難しい方でやっても、詰まらずにプレイすることが可能だし、なにより没入感が味わえるので出来れば難しい方でのプレイをおすすめしたい。

 また、分岐で間違えたくない人ようにプレイ中であってもフローチャートを見ることが出来るが、一度目は気にせずに貴方だけの物語を紡いでみて欲しい。

 

結論

 何度もいっているがこれは見る映画。おそらくどの展開を選んでも楽しいし、一般解的なトゥルーエンドはあってもそれが必ずしも正解とは限らない。貴方の信念に基づいてより良い未来を作ってみて欲しい。

 ちなみに僕は仲間がめちゃくちゃ死にました。もう一周してきます。